事業の背景Program Background
経済成長を続けるASEAN諸国では、サステナビリティ関連の社会課題の解決が急務となっています。
日本にはサステナビリティ関連のソリューションを持つスタートアップが多数存在することから、日本のスタートアップとASEAN企業(財閥系やスタートアップ等)との協業により、こうした社会課題を解決することが双方企業のビジネスチャンス創出に繋がると考えられます。
本事業では、ASEAN企業との協業により、ASEANでの新規事業展開又はビジネス拡大を目指す日本のスタートアップを対象としたアクセラレーションプログラムを実施します。
さらに、プログラム参加企業がASEAN企業向けにイベントを開催し、日本のスタートアップとASEAN企業との協業を後押しします。
本プログラム事業は、経済産業省の拠出金により、日アセアン経済産業協力委員会(AMEICC)事務局が主催する事業です。
プログラムの内容Program Content

スタートアップ-ASEAN協業促進プログラムでは、ASEAN企業との協業によりASEANのサステナビリティ課題の解決を目指す優れた日本のスタートアップに対して、まずはASEANビジネスに必要な知識をインプットする事前研修を行います。その後、個社ニーズに応じた個別コンサルテーションの実施、ASEAN企業とのマッチング面談の機会を提供します。最終的には、ASEAN企業向けのピッチイベントを実施し、ASEAN企業との協業の実現を目指します。
プログラムのポイント
ポイント1
事務局スタッフによる伴走支援
期間中は、あずさ監査法人に設置されるプログラムの事務局スタッフを各スタートアップに担当者として配置し、コンサルテーションニーズの確認やマッチングのアレンジ支援等の伴走支援を行います。
ポイント2
ASEANビジネスの実務的課題にフォーカスしたプログラム
ASEAN企業との協業を実現すべく、あずさ監査法人に所属する公認会計士や、あずさ監査法人及び外部の海外進出支援コンサルタント、その他各分野の専門家が、ASEANビジネスの実務的課題の解決に向けた研修や助言を提供します。
ポイント3
ASEAN企業とのマッチングによる商談機会の提供
本プログラムでは、知識のインプットだけではなく、ASEAN企業とのマッチングにより商談機会を提供します。プログラム事務局が、ASEAN企業とのマッチングのアレンジを支援します。
プログラムのコンテンツ
1事前研修
ASEAN企業との協業に向けた活動を進めていく上で、必要な基本情報のインプットを行うことを目的として事前研修(オンライン形式)を実施します。研修の内容は、スタートアップのニーズを踏まえて検討します。
講義内容(案・例)
科目 | 内容 |
---|---|
ASEANのサステナビリティニーズの概況 | ASEAN各国のSDGsの達成状況や社会・経済状況から見える各国の特徴やビジネスチャンスについて説明する。 |
ASEANビジネスのポイント | ASEAN各国の市場概況より分かる、ASEANへのビジネス展開パターン、ASEAN企業の特性、交渉時の留意事項等について説明する。 |
ASEAN各国の投資諸制度 | ASEAN各国における投資法、投資規制、インセンティブ、貿易関連制度、関税等について、実務的情報を提供する。 |
ASEANビジネスにおける資金調達 | ASEAN企業から資金調達を行う上での制度や留意事項、適切な資金調達計画の検討方法について説明する。 |
※講義内容はスタートアップのニーズを踏まえて検討中。今後、変更の可能性があります。
2個別コンサルテーション
担当の事務局スタッフが面談を行い、各スタートアップのニーズを確認します。以降、各スタートアップ固有のニーズや課題、必要としている情報に応じて、実務的内容に重きを置いたコンサルテーションを実施します。
個別コンサルテーションの案・例
- 投資諸制度、資金調達、法律、知財、ASEANビジネスのポイント、英文ピッチ指導等について、専門家による助言・指導。
- スタートアップのニーズに応じて、対象国の投資・貿易促進機関や現地商工会、進出済み日系企業、JICA・ジェトロ等の関係機関との面談支援・情報収集支援。
3個別面談等を通じたマッチング
各国の財閥系企業やスタートアップ等のASEAN企業との面談マッチングを複数回実施します。事務局スタッフが、面談候補先の選定・面談アレンジに関するサポートを提供します。
4ピッチイベント
③の個別面談に加え、本プログラム参加スタートアップによる、ASEAN企業向けのピッチイベントを開催します(2023年2月頃を予定)。詳細については、別途ご案内いたします。
スタートアップ企業への支援体制
本プログラムでは、主催者からの委託を受け、有限責任 あずさ監査法人が事務局として、スタートアップに対するサポートを提供します。
また、本プログラムは、JETROが運営する「J-Bridge」
と連携した支援も可能です。J-Bridgeは、日本企業と海外企業の協業を支援し、国際的なオープンイノベーションを創出するマッチングプラットフォームです。
あずさ監査法人はKPMGのメンバーファームとして、複雑な課題を有するクライアントや社会に対して価値あるサービスを提供しています。本プログラムでは、新興国のサステナビリティ課題、スタートアップ支援、日本企業の海外展開支援等に精通したあずさ監査法人の専門家が、日本のスタートアップとASEAN企業の協業実現のための情報提供や助言を行います。なお、本プログラムでは、スタートアップのニーズに応じてサポート内容を決定する方針としています。外部機関や外部の専門家とも柔軟に連携し、必要なサポートを提供していきます。

KPMGは、地方創生、ESG/SDGs、デジタルガバメント等の分野において、官民連携の元、よりよい社会の実現を目指して活動をしています。
あずさ監査法人は、起業を目指す方から、成長支援を求める起業家、そして上場を目指す経営者へシームレスな支援を提供します。
"Global Japanese Practice(GJP)"は、KPMGのグローバルネットワークを通じて、日系企業等の海外事業展開をサポートするクロスボーダー・クロスファンクショナルなネットワーク組織です。
採択企業紹介Adopted Companies
「スタートアップ-ASEAN協業促進プログラム」の採択企業を紹介します。

がんの最終診断となる病理診断を支える病理専門医はASEAN諸国において大きく不足しています。Milk.株式会社は、高精度な分光情報を有するハイパースペクトルカメラとAIを組み合わせた病理診断支援システムにより、病理医不足を解決し、アジア圏の医療格差是正に貢献します。
There is a great shortage of pathologists in ASEAN countries who support the final diagnosis of cancer. Milk. Inc will solve the shortage of pathologists with a pathology diagnosis support system that combines a hyperspectral camera with high-precision spectral information and AI, thereby contributing to correcting medical disparities in the Asian region.

株式会社トレードワルツは貿易情報連携プラットフォームTradeWaltz®をSaaS形式で提供・運営しています。ブロックチェーン技術を活用し、取引データを業界横断的に一気通貫で管理することで、44%以上の業務効率化を実現しました。アジアや世界の貿易相手国までも含めたEnd to Endでの貿易完全電子化・効率化を目指しています。
TradeWaltz is a cross-industrial business-to-business digital trade platform utilizing blockchain technology. TradeWaltz Inc. provides a one-stop digital solution for all industry players, across borders, to reduce operational time and costs, promote remote work, visualize trade processes, and provide other trade data-driven optimization services.

株式会社ゼロボ―ドは企業活動やそのサプライチェーン由来の温室効果ガス排出量を、国際基準であるGHGプロトコルにおけるScope1〜3に基づき算定・可視化できるクラウドサービス「zeroboard」の開発・提供/電力・環境価値に関するコンサルティング/ブランディング・キャンペーン支援を行っています。
Zeroboard Inc. provides development and provision of "zeroboard," a cloud service that enables companies to calculate and visualize their GHG emissions. In addition to quantifying companies' carbon footprints, they also provide on-demand consulting expertise regarding decarbonization and branding/marketing strategies.

株式会社TBMは環境配慮型新素材LIMEXの開発・販売及び資源循環事業を展開しています。石灰石を主原料としたLIMEXは紙やプラスチックの代替として環境保全に貢献します。また、TBMは再生プラスチックのCirculeXやリサイクル工場展開にて国内外の資源循環も加速させています。
TBM Co., Ltd. develops environmental friendly new material LIMEX and promotes resource circulation. LIMEX, which is a material made mainly from limestone, can be an alternative to plastic and paper, and contributes to environmental conservation. TBM Co., Ltd. is also accelerating the resource circulation through CirculeX, which is the recycled plastic, and their own recycling plants.

株式会社Liberawareは、天井裏や製造設備等の「狭い・暗い・汚い」環境でデータを取得する小型点検ドローンと、収集した画像データの解析・提供によるインフラ点検・維持管理のDX事業を行っています。産業・公共インフラ等の見えないリスクを可視化し、誰もが安全な社会を実現したいと考えています。
Liberaware Co., LTD. is engaged in DX business for infrastructure inspection and maintenance management by analyzing the collected image data with small inspection drones that acquire data in "narrow, dark and dirty" environments such as manufacturing facilities. Liberaware Co., LTD. would like to visualize invisible risks of public infrastructure and realize a safe society for everyone.